
伊賀上野城
高さ30mの内堀の石垣が美しい城
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| 復興天守 |
| 歴 史 | 天正9年(1581)織田信長の次男である信雄(のぶかつ)は伊賀に兵を進めた。 在地の豪族たちは必死の抵抗を試みるが、多勢に無勢の悲しさで伊賀の地は焦土と化した。世にいう「天正伊賀の乱」である。伊賀を平定した織田信雄は、家臣滝川雄利に伊賀の守護を命じた。雄利はその昔、平清盛が建立したと伝えられる平楽寺址に築城を開始、これが伊賀上野城の始まりである。 翌天正10年(1582)に起こった本能寺の変後、天下をほぼ手中におさめた羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)によって滝川雄利は追放され、天正13年(1585)大和郡山から移封してきた筒井定次が上野城主となる。定次は三層の天守を構えるなど城の大改修を行なった。 慶長5年(1600)の関ケ原の合戦に勝ち、徳川家康の時代となると、慶長13年(1608)家康は筒 井定次を失政の理由をもって改易とし、信任厚い藤堂高虎に伊賀・伊勢両国を与えた。高虎は伊勢津城と伊賀上野城を自らの縄張りで大改築した。津城は居城として天守も築かなかったが、上野城は大坂城の豊臣氏に備えた戦いの城として堀を深くし、さらに30mの高石垣で囲んだ五層の大天守の建築にとりかかった。しかし、竣工直前の慶長17年(1612)暴風雨のために倒壊してしまった。 元和元年(1615)大坂夏の陣で豊臣氏が滅びると「戦いの城」も御用済みとなり、徳川幕府が武家諸法度によって諸大名の城普請を禁止したため天守は再建されず、上野城は津に本城を置く藤堂氏の支城として代々城代が置かれ明治維新を迎えた。 |
| 一口話 | 伊賀は甲賀とともに忍者の里として有名である。藤堂高虎が伊賀上野城を築くにあたって「天下の名城に仕上げてみせる」と豪語し、伊賀忍者を58ヵ国、148城に忍ばせて要害図を盗写させて参考にしたとの言い伝えもある。 しかし、これは作り話で、高虎は築城の名手としてすでに宇和島城や今治城を築き、江戸城など諸城の普請にも参加しており、これまでの経験を生かして独自の縄張りで築いたというのが真実ではなかろうか。 |
| 見どころ | 現在、伊賀上 野城跡は上野公園として整備され、上野市観光の中心として賑わっている。昭和10年に再建された天守は木造三層で、往時に藤堂高虎が築いた基台上に築かれた。木造の復興天守としては昭和建築最後の城で、内部は資料館になっている。上野城跡の最大の見どころは、本丸西側にある高さ30mもある内堀の高石垣である。藤堂高虎が築いたもので、内堀に映えるその 壮大さはまさに圧巻。石垣の上から下を眺めると、その急勾配さに足がすくむ思いがする。内堀に沿って高石垣を見学できる散策路が整備されているので、下から仰ぎ見るのがお勧め。 黒沢明監督の映画「影武者」のクライマックスのロケ地として使用されたのもうなずける気がする。 また、公園内には松尾芭蕉の旅姿をかたどった八角堂の「俳聖殿」や、芭蕉の真蹟をはじめ近世から現代に至る連歌俳諧に関する資料を展示している芭蕉翁記念館がある。 |
| 周辺案内 | 伊賀といえばやはり忍者。上野公園にある伊賀流忍術屋敷は見ものである。 伊賀国高山村にあった土豪の屋敷を移築したもので、屋敷内にはドンデン返しやかくし戸などがあり、忍者装束のくの一による伊賀流忍術の実演も行なわれている。江戸時代の忍者が実演どおりのものかは疑問だが、江戸時代に忍者が使った道具も展示されており興味深いものがある。また、この地には松尾芭蕉ゆかりの史跡が残っているので、是非見学したい。まず松尾芭蕉翁生家。内部はそれほど広くなく、昔ながらの奥行きの深い建物だが、裏手にある釣月軒は、芭蕉が処女句集『貝おほい』を執筆したところで、伊賀に帰省した際にはこの建物で起居した。 蓑虫庵は芭蕉五庵の一つで、元禄時代のままで現存する 唯一のもの。芭蕉の門弟・服部土芳の草庵で、庵開きの祝いとして芭蕉が贈った句「みの虫の音を聞きにこよ草の庵」にちなんで名付けられた。江戸時代の城下町の名残を残す町を散策して、上野公園の西北にある鍵屋ノ辻を訪ねたい。津へ向かう伊勢街道と奈良に向かう奈良街道の分岐点にあり、日本三大仇討ちの一つ、荒木又右衛門が妻の弟渡辺数馬の助太刀をした伊賀越仇討ちが行なわれたところである。隣接する伊賀越資料館には剣豪荒木又右衛門自筆の起請文、助太刀の事情を記した古文書などが展示されている。 近松半二の名作『伊賀越道中双六』はこの仇討ちを題材にした浄瑠璃で、文楽や歌舞伎の人気狂言となっている。 |
| 伊賀上野城と周辺のフォトライブラリー | ||
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| 高石垣 | 高石垣 | 高石垣 |
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| 高石垣 | 上野公園内の俳聖殿 | 上野公園内の伊賀流忍術屋敷 |
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| 松尾芭蕉生家 | 蓑虫庵 | 鍵屋ノ辻 |