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洲 本 城

紀淡海峡に臨む要衝の地に築かれた水軍の基地

 所在地:兵庫県洲本市小路谷
 別  称:三熊城
 築城年:大永6年(1526)
 築城者:安宅治興
 形  式:山城
 遺  構:石垣、天守台、堀、曲輪跡
      模擬天守

 地図 
模擬天守
歴 史  洲本城は室町時代末期の大永6年(1526)安宅石垣と堀治興(あたぎはるおき)が紀淡海峡に臨む要衝の地である標高133mの三熊山に築城。安宅氏はこの城を本拠として淡路一国を支配していた。
 天文5年(1536)室町幕府管領細川氏の重臣であった三好氏が主家をしのいで阿波国の守護となり、三好元長の三男である冬康が安宅氏の養子となった。
 本丸大石段これは三好氏の上洛作戦の布石であったが、永禄7年(1564)安宅冬康は松永久秀の讒言によって兄の三好長慶の手にかかり暗殺。
 天正9年(1581)織田信長の命により、羽柴秀吉(後の豊臣秀吉)が淡路国の攻略に乗り出すと、時の城主安宅清康は圧倒的な兵力を持つ秀吉の軍門に降り、洲本城を開城した。
 天正10年(1582)四国の長曾我部氏が淡路土着の水軍の将である菅平右衛門に命じて洲本本丸跡の石垣城を占領させたが、明智光秀との山崎の合戦に向かう秀吉は武将の仙石秀久を淡路に差し向け、洲本城を奪還。仙石秀久は四国攻めの拠点として洲本城を修築するとともに水軍の強化を図った。
 天正13年(1585)秀吉は洲本城から出陣して四国攻めを開始。戦後、仙石秀久が高松城主になると、脇坂安治が洲本城主となり、水軍の将として城の本格的大修築を行い、今日に洲本城跡の石碑残る規模の城となった。
 慶長14年(1609)脇坂安治は伊予大洲に移封。替わって洲本城は徳川家康の腹心である藤堂高虎、次いで姫路城主池田輝政の支配下に置かれたが、元和元年(1615)徳島藩主蜂須賀至鎮(よししげ)が大坂の陣の軍功により淡路一国8万石を加増された。
 蜂須賀氏は平和な時代になったため、三熊山の麓に御殿を設け、蜂須賀氏の重臣である稲田氏を城代とし、以後、洲本城は蜂須賀氏の支城として、城代の稲田氏が代々居城して明治維新を迎える。
一口話  安宅氏は紀州熊野灘を本拠とする海賊であった。南北朝時代の観応元年(1350)三好氏から瀬戸内海の海賊退治の以来を受け、淡路島に来て由良城を築き、この城を本拠に島内8ヶ所に一族を配備したという。その一つが三熊城(洲本城)であった。
 安宅氏は南北朝時代、室町時代から淡路一国を支配していたが、戦国時代に入ると豊臣秀吉の軍門に降り、長い歴史を持つ名族、安宅氏も史上から消えてゆくことになる。
見どころ  天守台洲本城は標高133mの三熊山山頂の山城(上城)と、北山麓に蜂須賀氏が築いた御殿(下城)の二つから構成されていた。
 麓の御殿跡は市街地となってしまったが、洲本市立淡路文化史料館前に洲本城跡の石碑が建ち、石垣と堀の一部が残っている。
 三熊山は原生林に覆われた自然公園で、世界唯一の木であるシロミノヤブムラサキをはじめ、貴重な植物が自生している。
 本丸南の虎口山頂の本丸跡近くまで車で登ることもできるが、登山道を20分程かけて登って行くと、原生林の中に崩れかかった石垣が見られ、山城の趣きを感じさせる。
 山城跡は東西約800m、南北約600mの範囲に本丸跡・東の丸跡・西の丸跡などの曲輪を配し、今でも見事な石垣が残っている。中でも南の丸隅櫓跡と本丸跡の高石垣は壮観だが、本丸跡に至る大石段は見るものの目をひく。大石段を上ってゆくと本丸南の虎口で、見事な枡形虎口を形成している。
 本丸跡には昭和3年、三層の模擬天守が築かれたが、模擬本丸跡から眺める紀淡海峡天守としては日本で最も古いもの。模擬天守の建つ天守台は大きな石材を交互に組み合わせた算木積み。三熊山に住んでいたという伝説がある「芝右衛門狸」を祀った祠も建っている。
 本丸跡には武者走台と呼ばれる低い石垣が設けられ、その北端が搦手口からの入口。このあたりの石垣はあまり高くないが、三熊山北斜面を天然の要害としている。
 天守台に続く石垣の上から眺める洲本市街と紀淡海峡の眺望は素晴らしく、かつての洲本城が水軍の基地であったことが実感できる。
周辺案内  洲本城跡の下城跡には洲本市立淡路文化史料館が建っている。洲本市立淡路文化史料館淡路島の歴史と文化を紹介しているが、国指定の重要無形民俗文化財である淡路人形浄瑠璃に興味が惹かれる。
 洲本市には立川水仙郷があるが、淡路島の南岸をドライブして黒岩水仙郷を訪れたい。11月から2月にかけて海への急斜面に咲き誇る水仙の愛らしい姿は見事で、水仙郷を登れば大海原と調和した景観が堪能できる。
 五色町にはこの地が生み出した江戸時代末期の豪商で、ロシアとの外交にもあたった高田屋嘉兵衛の記念館があり、その偉大な生涯を知ることができる。

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